| 36年前と違い、建物はペンション風になり、当時の面影は無く、雪焼けして浅黒い顔の親父さんも5年前に動脈瘤に倒れて会うことが出来なかった。当時小学生だった次女の幸っちゃんが47歳になり忙しく宿の切り盛りで動き回っていた。さすがに36年間の空白は埋め難く、何とも言えない寂しさを感じたのが正直な感想である。
思えば36年前、青々とした野沢菜が食卓に一杯出ていて、田舎の座敷で食べる朝飯が本当に旨かったことを忘れることができない。当時はまだ酒は飲む年ではなかったが、夕飯に食べた寄せ鍋風の『戸狩鍋』は大変美味しく今でもこの地域の名物である。
今回はビールと日本酒で心ゆくまで味わったが、椅子とテーブルの食堂には、昔を彷彿とさせる懐かしい面影が無く、“心の消化不良”を少し感じてしまった。
しかし、昔よりもずっとスケールの大きくなった粉雪のゲレンデを、水を得た魚のように滑りまくるオジサン達は、青春の真っ直中にしっかりとタイムスリップしていたのだった。
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